【研究者インタビュー】東京理科大学 工学部 工業化学科 田中研究室
NEDO
ムーンショット型研究開発事業においての研究
NEDOのムーンショット型研究開発事業にあたる「冷熱を利用した大気中二酸化炭素直接回収技術(Cryo-DAC)」プロジェクトの一員である東京理科大学 田中研究室の研究者にお話をうかがいました。
Cool Earth
(1)温室効果ガスを回収、資源転換、無害化する技術の開発
2030年までに、温室効果ガスに係る環境技術を開発し、ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点からも有効であることをパイロット規模で確認(ムーンショット型研究開発事業サイト)
インタビュイーのご紹介 東京理科大学 工学部 工業化学科 田中研究室 |
LN2供給システム 既存のディップコーターを利用しつつ、
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ニイガタとの出会い
東京理科大学 先進工学部電子システム工学科(AE科)の相川教授経由で「カーボンバリュー研究拠点」のお話を伺う機会を当社が頂いたことが始まりです。
営業担当がお伺いした際に、研究課題解決についてお話をお伺いしました。
ニイガタにご依頼いただいた理由
東京理科大学が受託している NEDO ムーンショット事業における研究(「2023年度中間年報 ムーンショット型研究開発事業/地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現/冷熱を利用した大気中二酸化炭素直接回収の研究開発」における実施項目「DACベンチスケール機の開発:材料解析による健全性評価」)を加速的に進めるべく、液体窒素の自動供給装置やドライアイスの昇華に関連する評価装置を新たに製作するにあたり、見積・設計をご依頼いただきました。
<ニイガタにご依頼いただいたポイント>
・希望を正確に理解した設計対応
・スケジュール対応
・質量検出というアプローチによる液体窒素の自動供給制御
・安全機構対策
・予算を考慮した提案
装置キーワード
○既存装置の利用 |
主要研究員(許さま)からのコメント
装置・製作のポイント
製作にあたっては、精密な制御に基づく効率化(評価サイクル時間の短縮)と無人連続運転を可能とする安全性の確保が重要なポイントでした。
市販のハードをうまく活用して納期短縮&コスト削減を図りつつ、市販品単体では想定されていなかった所望の制御が可能となるよう、ソフトを含めた全体設計提案⇒MTG(様々な運用ケースを想定した既存設計での課題の洗い出し、追加機能の要否検討、将来的な拡張性の要否検討)⇒再設計⇒…の過程を何度か繰り返して、納得のゆく形に仕上げてゆきました。
実現した機能
液体窒素の自動供給装置の運用が始まり、24時間の無人・連続運転が可能となった。
装置導入前よりも格段に実験効率が向上したことで、人力方式では困難であった数万サイクルの耐久試験の実施が可能となったほか、液体窒素管理に費やしていた時間が大幅に短縮されたことで、他の候補材料・条件の検討やシミュレーション・分析の時間を十分に確保できるようになった。
実験を行っていて苦労した点や、達成感を感じる瞬間を教えてください。
実験では、予期せぬ結果や技術的な障壁に直面することがありましたが、それらを克服したときの達成感は計り知れません。特に、理論が実証された瞬間や、新しい発見がなされたときは、研究者としての喜びを感じます。
研究分野が今後どのように発展していってほしいですか?
この研究分野では、さらなる技術革新と応用範囲の拡大を期待しています。特に、持続可能な開発と環境保護の観点から、エネルギー効率の良いシステムの開発が進むことを願っています。
研究を始めようとしている学生さんや若い研究者へメッセージをお願いします。
研究は挑戦の連続です。失敗を恐れず、好奇心を持って新しいことに取り組んでください。そして、研究は協力と共有の精神から成り立っていることを忘れないでください。皆さんの情熱と努力が、未来の科学技術を形作る重要な一歩となります。
御礼の言葉
貴重なお時間をいただき、取材のご協力誠にありがとうございます。
研究過程や課題・改善結果等を直接お伺いでき、貴重な体験をさせて頂きました。誠にありがとうございました。
どんな研究や開発もご相談承っておりますので、
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